学資援助事業とは

当協会が行なっております『学資援助事業』とは、タイ(特に北部の農村地域)の恵まれない環境下にある女児達に、中学校入学から卒業までに必要な学資の一部を援助する事業です。始めたきっかけは、当協会がバンコクで『平和シンポジウム』と『原爆展』を開催し、結論が「平和の原点は人間の心の優しさである」との認識からでした。日本人の優しさと真心を学資援助という形でタイへ伝えようと、1994年よりこの事業を始めました。

まず現状ですが、今でもタイには貧困の為、学校に通えない子供が多くいます。貧困の理由は、保護者の病気による就労困難やエイズなどによる病死、親の離婚、就労条件の悪さによる収入不足など様々です。その為、保護者が借金をして、返済の代わりに娘を斡旋業者に売り、やがてその彼女達の多くが売春婦としてバンコクなどの都市部で働かされます。 よって、最終学歴は小学校卒業です。中には若くしてエイズになり、亡くなる子もいます。しかし、1人分で約4万円(約1万バーツ)の学資が有れば、中学校へ入学し、3年間の義務教育を受けることが出来、より良い職に就ける可能性が大きく広がります。
※タイの義務教育は、日本と同じ小学校6年間・中学校3年間です

次に、皆様がご寄付下さいましたご浄財ですが、当協会役員が毎年2回 タイを訪れ直接 関係機関(下記にて説明)に渡します。渡しましたご浄財は、関係機関の事務費・人件費などに一切使わないという取り決めにより、全額が学資となります。そしてその学資は、保護者へは一切渡さず、全額 学校の先生に渡し、管理・支払いをしていただきます。ですので、保護者が勝手に生活費などに流用する事もありません。学資は主に学用品・制服などの購入費、通学費などに充てられます。
そして、学資援助する女児の選定ですが、関係機関と学校が協力し、家庭環境・経済状況などを調査し、成績優秀で向学心が強い子を選びます。 皆様がご寄付下さいましたご浄財が、女児達の就学に生かされ、将来に生かされます。

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私達は「せめて中学校までは卒業し、より良い職に就き、将来立派なタイ国民になって欲しい。」との願いでこの事業を続けています。皆様のお蔭により、これまでに多くの女児達が中学校へ進学する事が出来ました。これからも私たちは、遠く離れたタイの女児達を救う為に、この事業を続けてまいります。

関係機関とは『タイ国国王管理 社会福祉国民会議』という組織です。この組織はラーマ9世(プミポン国王)の意志を受けて設立され、『正義の黄金の国』プロジェクトに取り組み、道徳的・社会的・経済的開発に力を尽くしていく為、タイ全土の福祉・慈善・教育・文化・仏教など約900の組織を統括し活動している、国王直属の半官半民の組織です。当協会は、この組織の特別名誉会員です。